北海道大学総長あいさつ

北海道大学総長  名和 豊春

このたび、北海道大学と新潟大学が共同で公募した,平成29年度「大学の世界展開力強化事業(ロシアとの大学間交流形成支援)」における「プラットフォーム構築プログラム(タイプB)」に採択されたことは,本学にとってこの上ない喜びであります。本学は,日本において地理学上最もロシアに近く,長年にわたってロシアとの学術交流を重ねてきた実績によるものであります。

本事業は,平成28年の日露首脳会談時に合意された8項目の経済協力プランに貢献する人材を日露共同で育成することを目的としております。世界経済はグローバル化が加速しており,環境保護,医療対策,エネルギー開発などの世界的課題は,もはや一か国の努力だけでは解決が不可能であり,他の国々と協働して取り組まなければならない状況となっております。

日本とロシアとの交流は,1700年代後半まで遡ります。まさに200年を超える大きな歴史の中で,経済的にも両国にとって極めて重要な存在であり続けてきました。とりわけ北海道と新潟県は,その地理的特性から,ロシアとは非常に深く関わってきましたし,北海道大学と新潟大学は,医療,農林水産業,建設業などの分野で,それぞれの特色を活かしながら多年にわたり両国の交流に貢献してきました。北海道大学においては,1953年6月にスラブ研究室を開設し,日本唯一のロシア(旧ソ連)をはじめとするスラブ地域の総合的研究機関として,理工系のみならず文系も含めて幅広い活動を続けてまいりました。

今後は,両大学のこれまでの活動実績を礎としながら,さらなる両国の発展のためロシア・プラットフォーム事業を推進し,北海道・新潟県のみならず,広く日本におけるロシアとの交流拠点として,両国の将来を担う人材育成を広く行ってまいります。また,本事業では,日本とロシアの各地において,産業・経済界,行政,大学,そして金融界といった多様なステークホルダーによる有機的な「コンソーシアム」を形成し,両国における地域創生に貢献することを目指します。

このような両国間における人材ネットワークを構築する本プラットフォーム事業を進めていくためには,日本とロシア双方の大学はもとより,今までロシアとの交流・連携に関わってこられた,さらには今後ロシアとの交流を考えておられる企業・自治体・各種機関のご理解と更なるご協力が不可欠であると考えております。皆様におかれましては,是非とも本事業の趣旨にご賛同いただくとともに,本事業への積極的なご参画とご支援を賜りたく,何卒よろしくお願い申し上げます。

北海道大学総長  名和 豊春