2020年9月30日(水)、北海道大学と北東連邦大学は、ロシアのヤクーツクで開催されたNorthern Sustainable Development Forum(NSDF)の一部および日露地域交流年 2020-2021記念イベントとしてオンライン寒冷地セミナー「北方圏における日露連携」と称するセミナーを共同で開催しました。
このセミナーには、日露の大学(ロシア側20校、日本側9校)、企業(日本側2社)、シンクタンク(日本側2団体、ロシア側4団体)、NGO(ロシア側1団体)、地方自治体含む政府機関(ロシア側3機関)から主に寒冷地研究・寒冷地の開発に携わる研究者や実務者、同分野に関心を示す日露の学生等、約140名が参加しました。
セミナーはMikhail Prisyazhnyiサハ共和国科学教育局次長・北東連邦大学北方研究学科長の開会挨拶からはじまり、日露共同教育研究の事例として北海道大学低温科学研究所の杉山慎教授より北極域研究加速プロジェクト(ArCS-2 project) の基調講演をしていただきました。次に、北海道大学HaRP事務局のロマ―エヴァ・マリーナ産官学連携コーディネーターより2020年8月に新設された専門セクションである「SDGs:環境・資源開発・多文化教育」セクションの紹介がありました。
参加者は①北方圏環境、②北方圏コミュニティ、③北方圏社会経済開発、④寒冷地の建設技術とデザインの4つの分科会に分かれ、あらかじめ共有された各テーマの概要発表及び発表に対する質疑応答と意見交換を行いました。
その後、参加者は全体会議に参加し、各分科会のモデレーター(①モスクワ国立大学のOlga Tutubalina上級研究員、②北東連邦大学のLena Sidorova文化研究科准教授・北海道大学のJeffry Gaymanメディア・コミュニケーション研究院教授、③北海道大学の大塚夏彦北極域研究センター副所長、④北海道大学の瀬戸口剛大学院工学研究院長)による内容の振り返りから学び、将来の日露共同研究事業の可能性などについて意見交換しました。
最後に、田畑伸一郎北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授とPrisyazhnyi教授より閉会挨拶があり、本テーマに係る日露連携の今後の展望について情報共有しました。参加者は、北方圏の日露連携について専門家の研究事例から学び、今後の研究や実務における有益な情報を共有し、幅広く意見交換することができました。
このセミナーの参加者からは「司会進行、発表ともに知識意見の豊富な専門家で、参加者として大変にためになった」、「ロシアや日本の研究者と交流できた」、「多くの情報やアイディアを得ることができた」など肯定的な感想をいただきました。
本イベントの概要やプログラムはこちらをご覧ください。
Prisyazhnyi北東連邦大学北方研究学科長によるご挨拶と発表
分科会④「寒冷地の建設技術とデザイン」発表者と参加者の様子
田畑伸一郎北海道大学教授による閉会挨拶の様子
本イベントの報道ぶり:
Northern Sustainable Development Forum – 2020
International Arctic School HP