平成29年度 文部科学省 大学の世界展開力強化事業 採択プログラム (令和3年度終了)

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2021年3月3日 オンラインセミナー「北極圏と北方圏における日露の地域間協力 - 理論と実践 -」(北海道大学 北極地域研究センター、同 HaRP事業 共催)

2021年3月3日、HaRP の専門セクション「SDGs: 環境・資源開発・多文化教育」ならびに北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)国際政治課題 「複雑化する北極域政治の総合的解明と日本の北極政策への貢献」サブグループ4「非国家主体とパラディプロマシー」、北極圏大学(UArctic)アジアにおける北極圏・北極圏におけるアジア分科会の協力事業として、オンラインセミナー「北極圏と北方圏における日露の地域間協力 - 理論と実践 -」を実施しました。本セミナーは、①日露の地方政府を交えた北極圏・北方圏における地域間協力に関する問題の分析、②将来的に重要となる地域における課題の議論、③北極圏、北方圏の地方行政府が主催し支援する様々なフォーラムの発展と、日露の地域間協力を既存の構造に適合させる方法に関する議論、④日露の地方行政府同士の協力の重要性の議論、を目的に開催されました。

また日英露の同時通訳を介し、日本、ロシア、フィンランド、ノルウェー、米国、カナダ、英国、中国、韓国から総勢約110名が参加しました。本セミナーは ArCS II と HaRP が共催する一連のセミナーの2回目の事業として位置づけられています。

  1. 第1回 オンラインワークショップ:マルチレベルガバナンスと地域間協力に関する オンライン研究会:北極及び太平洋地域Vol.1 - The Pacific Arctic(2021年1月12日開催)
  2. 第2回 北極圏と北方圏における日露の地域間協力 - 理論と実践 -(2021年3月3日開催)
  3. 第3回 2021年11月の世界冬の都市市長会(於ロヴァニエミ、フィンランド)ならびに Rovaniemi Arctic Spirit Conference との併催を予定。

本セミナーでは2019年と2020年に実施された「北方の持続可能な開発フォーラム(Cold Lands seminars / Northern Sustainable Development Forum)で培ったネットワークや協力関係を活用しました。

本セミナーは2部制で実施されました。

第1部では日露の研究者4名がスピーチを行いました(Dmitry Streltsov モスクワ国際関係大学教授、Alexander Sergunin サンクトペテルブルク国立大学教授、岩下 明裕 北海道大学教授、大西 富士夫 北海道大学准教授)。

第2部では日露協力に取り組むロシアの自治体と日本の団体代表者等による4つのスピーチを行いました(Irina Zikunova ハバロフスク地方政府 地方議会議長、Diana Stepanova サハ共和国政府 対外関係・民族関係局次長、高田 喜博 北海道国際交流協会協力総合センター(HIECC)、新井 洋史 環日本海経済研究所(ERINA))。また、神戸学院大学 岡部 芳彦 教授からもコメントを受けました。

第1部の最後には、地域間協力におけるトップダウンとボトムアップのアプローチ、多国間フォーラムによる地域間協力と二国間関係の重要性、北極圏での日露協力における中国の役割、といった課題やテーマを議論しました。第2部では地域間協力における民間企業の役割と重要性に焦点が当てられました(プログラム詳細は別添ファイルをご参照下さい)。

本セミナーには、様々な大学、研究機関、政府機関、地方自治体、関連団体、民間企業を代表する講演者と参加者が集いました。これにより少なくとも次の3点、①国際協力における非国家主体の役割、②北極圏と北方圏の文脈における地域間協力に関する問題とフォーラム、③様々な層における日露関係、に関して有意義な議論ができたといえるでしょう。日露の参加者の多くは北極圏と北方圏における協力に強い関心を示しました。今後も両国の大学の官民パートナーを巻き込みながら、北極圏と北方圏は日露学術協力の重要分野の1つであり続けるでしょう。

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