平成29年度 文部科学省 大学の世界展開力強化事業 採択プログラム (令和3年度終了)

REPORTS

2020年度 北海道大学大学院教育学研究院におけるロシア交流

北海道大学大学院教育学研究院・教育学院・教育学部において、2020年度に以下の日露交流活動を実施しました。

1.「ESD Campus Asia Pacific Program」

期間:令和2年9月14日~令和2年9月16日(3日間)および令和3年2月17日、計4日間

参加者:サハリン国立大学の学生6名を含む計18名の学生

活動内容: 2011年より開始し、2016年よりサハリン国立大学が加わった本プログラムは、5か国6大学による双方向型短期(10日間)留学支援プログラムに相当します。本年度はコロナ禍により、夏季、冬季プログラム(合計4日間)のみ実施し、サハリン国立大学からは夏季に6名、冬季に10名、のべ16名のオンライン参加がありました。特に冬季はリアルタイムオンライン教育を通じて、サハリン国立大学のイリーナ・バリツカヤ准教授による専門的な知識の提供・指導助言がありました。

2.Northern Sustainable Development Forum(ヤクーツク)

期間:令和2年9月30日

参加者:北東連邦大学、北海道大学の大学院生を含む計25名

活動内容:2020年9月30日に教育学院のゲーマン教授、池田教授及び大学院生が2008年から継続されているCold Lands Seminarの一環として計画されたオンラインのパネルに参加し、アイヌ民族の社会的課題や当学部のESDキャンパス・アジア・パシフィックプログラムの動向について報告を行いました。一方で、北東連邦大学の教員3名による発表が行われ、北東連邦大学の大学院生を含む研究者と交流し、知見が深まりました。参加者には北海道大学国際連携機構の川野辺副機構長及びメディア・コミュニケーション研究院のパイチャゼ准教授、ブンティロフ助教もみられ、川野辺副機構長による挨拶も含め、両大学の多部局の参加が見られました。前日の29日にはゲーマン教授を中心に、先住民族のメディア利用および表象・自己表象の問題を同じCold Lands Seminarの一環としてパネルを開催し、北大の大学院生4名による発表を含む、計9名の発表及び16名の院生、教員、実務家の参加がありました。特に、先住民族のメディア利用に関する議論は活発に行われました。

3.International Seminar of Japan-Russian collaboration on Articulations of Indigenous Culture

期間:令和3年2月18日

参加者:北東連邦大学、北海道大学の大学院生を含む計49名

活動内容:2019年のNorthern Sustainable Development Forumへの参加をきっかけに、ゲーマン教授と北東連邦大学のL.Sidarova准教授の共催で3回目のオンライン国際セミナーが行われました。北大の教育学院の院生2名と北東連邦大学の大学院生1名の発表により、2つの研究室間の共通課題・研究の興味関心が確認され、継続的な国際協働教育の約束をいただきました。HaRP事務所の事前通知の効果もあり、サンクトペテルブルグの大学教員やその学生らも含む、計49名の参加(62名の事前登録)がありました。

4.日露3大学国際協働教育および地域人材育成

期間:令和3年2月25日 (計1日間)

参加者:サハリン国立大学、ウラル国立教育大学、北海道大学の学生、教員を含む計36名

活動内容:札幌、ユジノサハリンスク、エカテリンブルグと結び、2019年度の日露3大学ジョイント・プロジェクトに向けたオンラインワークショップを継承し、本年度は「ポストコロナ社会の身体―相互依存社会の新時代」と題するオンラインセミナーを主催しました。北大、サハリン国立大、ウラル国立教育大学を含む、計36名の学生および教員の参加がありました。参加者には他大学に所属するロシア人の参加もみられました(千葉大学など)。以下は北大から提示した学生交流・人材育成のための提言の一例です。

  1. 「日露に共通する生涯教育を見据えた幼児体育の課題」(北大大学院生からの提言)
  2. 「日露に共通するオホーツク地域のスポーツと地域振興の課題」(北大大学院生からの提言)
  3. 「伝統的な身体技芸の継承とコロナ問題」(北大学部生からの提言)

その他、日露に共通するコロナ禍の遠隔教育、オンライン教育の課題についての報告、討論を行い、今後の継続が約束されました。

ESD Campus Asia Pacific Programの様子
ESD Campus Asia Pacific Programの参加者の様子
Northern Sustainable Development Forumにおけるゲーマン先生の発表
オンラインセミナー「ポストコロナ社会の身体―相互依存社会の新時代」
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