平成29年度 文部科学省 大学の世界展開力強化事業 採択プログラム (令和3年度終了)

REPORTS

オンラインワークショップ「Multilevel Governance and Interregional Cooperation: Vol. 2 – The Barents Region」HaRP・ArCS II共催

2021年6月9日、オンラインワークショップ「Multilevel Governance and Interregional Cooperation: Vol.2 – The Barents Region(マルチレベルガバナンスと地域間協力:VOL. 2 バレンツ地域)」が、北海道大学北極域研究センター、日露経済協力・人的交流に資する人材育成プラットフォーム(HaRP、特に専門セクション「SDGs:環境・資源開発・多文化教育」)、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)(特に研究プログラム「複雑化する北極域政治の総合的解明と日本の北極政策への貢献」およびそのサブグループ4「非国家主体とパラディプロマシー)、北極圏大学(UArctic)の研究グループであるThematic Network “Arctic in Asia, Asia in the Arctic”(アジアにおける北極圏・北極圏におけるアジア)、ノルウェー北極大学(UiT)の協力事業として開催されました。

その目的は次のとおりです:

  1. バレンツ地域協力体制の現状と今後の展望を分析する 
  2. 北極地域協力体制とバレンツ地域協力体制の関係について議論する
  3. バレンツ地域協力体制の主要な課題と最近の成功事例を再吟味する
  4. (北極圏と北方圏の文脈で)地域間協力の促進を目指す他のさまざまな取り組みがバレンツ地域協力体制から学べることについて議論する
  5. バレンツ地域協力体制によって北東アジアまたはアジア全域における地域協力のための教訓とベストプラクティスが提供できるかどうか評価する

ワークショップにはロシア(18名)、日本(14名)、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンから43名(大学から32名、研究所から5名、在外公館を含む行政機関から5名、民間企業から1名)が参加しました。3回目となる今回のワークショップは、以下の一連のワークショップに続くものです。

  1. 2021年1月12日に開催されたオンラインワークショップ「Multilevel Governance and Interregional Cooperation: Vol. 1 – The Pacific Arctic(マルチレベルガバナンスと地域間協力:Vol.1太平洋北極圏)」 
  2. 2021年3月3日に開催されたオンラインワークショップ「Japan-Russia Interregional Cooperation in the Arctic and North – Theory and Practice(北極圏と北方圏における日露の地域間協力 – 理論と実践)」

この一連のワークショップは、2019年から2020年にかけて開催された寒冷地セミナー/北方圏持続可能な開発フォーラムなどのイベントを通じて確立された協力関係と人脈を活用したものであり、2021年9月まで続く予定です。

ワークショップは2つのプレゼンテーションと2つの解説スピーチで構成されていました。プレゼンテーションの発表者とタイトルは次のとおりです。

  • Geir Hønneland氏(UiTノルウェー北極大学、ノルウェーヘルシンキ委員会):「Norway and Russia in the Barents Region: Bilateral and Multilateral Cooperation Structure(バレンツ地域におけるノルウェーとロシア:二国間および多国間の協力体制の構造)」
  • Larissa Riabova氏(コラ科学センター附属ルージン経済研究所):「Studying the Barents Region: views and experiences from the Russian side(バレンツ地域の研究:ロシア側の視点と経験)

解説者は、ノルウェー外務省高官委員会委員長のGøril Johansen氏と、バレンツ地域委員会委員長のMikael Bergström氏でした。 

プレゼンテーションと解説に続き、フィンランド外務省のJari Vilén大使(バレンツおよびノーザンディメンション)が発言し、バレンツ・ユーロ北極評議会で次回議長国を務める際にフィンランドが力を入れる予定の重点分野について、予備情報を提供しました。 

ワークショップの最後には、以下の問題とテーマに焦点を合わせたディスカッションが行われました:

  • バレンツ地域協力体制に関するロシアとノルウェーの見解
  • バレンツ地域協力体制と北極協力体制の関係
  • バレンツ地域協力体制から学べる教訓と、協力の成果を可視化することの重要性

このワークショップは、多数の大学や研究所、さまざまなレベルの国家および地方行政機関と関連団体、民間企業を代表する発表者と参加者が、一堂に会す機会となりました。そのため、北極圏と北方圏における協力に携わり関心を持つ関係者の間の(しばしばバレンツ地域協力体制の主要な成果として挙げられます)国境を越えた人脈作りと信頼構築に貢献することも期待されます。

オンラインワークショップ「Multilevel Governance and Interregional Cooperation: Vol. 2 – The Barents Region(マルチレベルガバナンスと地域間協力:Vol. 2バレンツ地域)」
Juha Saunavaara氏(北海道大学北極域研究センター助教)
Aileen Espiritu氏(UiTノルウェー北極大学UiTバレンツ研究所特任教授)
Geir Hønneland氏(UiTノルウェー北極大学UiTバレンツ研究所特任教授)
Larissa Riabova氏(ロシア科学アカデミー・コラ科学センター附属経済研究所社会政策研究部長)
Gøril Johansen氏(ノルウェー外務省高官委員会委員長)
Mikael Bergström氏(スウェーデン、ヴェステルボッテン県行政委員会上級顧問)
Jari Vilén氏(フィンランド外務省バレンツおよびノーザンディメンション担当フィンランド大使)

プレゼンテーション資料

動画(YouTube)

プログラム

  1. 一覧に戻る